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旅行の楽しみといえば、お土産選びですよね。
誰に何を渡そうか考える時間も、旅の思い出のひとつです。
そんな身近な「お土産」ですが、実は読み方をめぐって「おみやげ」と「おみあげ」、どちらが正しいのか気になったことはありませんか?
最近ではSNSでも、この読み方の違いが話題になることがあります。
ここでは、「お土産」という言葉の由来や、地域ごとに異なる読み方について、わかりやすく見ていきましょう。
地域によって違う?お土産の読み方あれこれ
「お土産」の読み方が一つではない理由として、大きく関係しているのが地域差です。
日本語は地域ごとに発音や語彙が微妙に異なる言語であり、「お土産」もその例外ではありません。
長い時間をかけて、各地の生活文化や人の往来の中で、自然に読み方が分かれていったと考えられます。

特に有名なのが、関西地方で多く聞かれる「おみあげ」という読み方です。
京都や大阪では、今でも年配の方を中心に「おみあげ買うてきたで」「これ、伊勢のおみあげや」といった言い回しが日常的に使われています。
関西では古い言葉遣いが比較的残りやすい傾向があり、歴史的な読み方が生活の中で受け継がれてきた結果だといえるでしょう。

一方、関東地方では「おみやげ」が圧倒的に主流です。
テレビやラジオ、学校教育などを通じて共通語が広まりやすかったこともあり、「おみやげ」という読み方が標準的なものとして定着しました。
そのため、関東出身の人が初めて「おみあげ」という言い方を聞くと、方言や言い間違いだと感じてしまうケースもあるようです。

ほかの地域にも、興味深いバリエーションがあります。
九州地方では「おみげ」と、さらに短く発音されることがあり、会話のテンポを重視する土地柄が反映されているともいわれます。
中国地方では「おみやげ」と「おみあげ」が混在しており、家庭や世代によって使い分けられているのが特徴です。
東北地方では全体的に「おみやげ」が多いものの、高齢者層では「おみあげ」という言い方が残っている地域もあります。
このように見ていくと、どちらの読み方が正しい・間違っているという単純な話ではなく、「その土地で自然に使われてきた言葉かどうか」が重要であることがわかります。
方言や地域差は、日本語の豊かさそのものであり、「お土産」の読み方の違いも、その一部として受け止めると、より言葉への理解が深まるのではないでしょうか。
お土産のルーツはお伊勢参りにあり!
現在では当たり前のように行われている「旅行先でお土産を買う」という習慣ですが、その起源をたどると江戸時代の「お伊勢参り」に行き着くといわれています。
当時の日本では、遠方への旅は今とは比べものにならないほど大きな出来事であり、人生における一大行事でした。

江戸時代のお伊勢参りは、単なる観光ではなく、信仰に基づく特別な巡礼でした。
伊勢神宮は「一生に一度は参拝したい場所」とされ、多くの庶民にとって憧れの地だったのです。
しかし、旅費や時間の制約から、村や町の全員が行けるわけではありませんでした。

そこで生まれたのが「お伊勢講(いせこう)」という仕組みです。
これは、地域の仲間同士で少しずつお金を出し合い、代表者を決めて伊勢神宮へ送り出す共同体的な制度でした。
代表者は、参拝の願いを一身に背負って旅に出る存在であり、無事に帰ってくること自体が重要な意味を持っていました。
参拝を終えた代表者が持ち帰ったのが、「宮笥(みやけ)」です。
宮笥とは、神社から授かったお札やお守りを納めるための箱や板のことで、神聖なものを安全に持ち帰る役割を果たしていました。
この宮笥を仲間に分け与えることが、「参拝に行けなかった人たちへの感謝と報告」の証となり、これが現代のお土産の原型だと考えられています。

やがて、伊勢神宮の門前町には参拝客向けの商店が立ち並ぶようになり、地元の特産品や名物菓子が売られるようになります。

赤福餅をはじめとした伊勢名物は、まさにこの流れの中で生まれた代表例だよ!
こうした品々は単なる物品ではなく、「無事に参拝を終えた証」「感謝の気持ちを形にしたもの」として大切に扱われていました。
この文化は伊勢だけにとどまらず、全国各地の寺社参拝や巡礼にも広がっていきます。
善光寺参り、金毘羅参り、西国三十三所巡礼など、それぞれの土地で名物が生まれ、「参拝+お土産」という組み合わせが、日本人の旅の基本スタイルとして定着していったのです。
SNS時代で変わる現代のお土産文化と地域性
現代のお土産文化は、SNSやインターネットの普及によって大きな転換期を迎えています。
かつては「有名だから」「定番だから」という理由で選ばれていたお土産も、今では「写真映えするか」「話題性があるか」といった視点が重要になってきました。

InstagramやX(旧Twitter)などでは、旅先で購入したお土産を写真付きで紹介する投稿が数多く見られますよ。
その影響で、期間限定商品や地域限定パッケージ、数量限定スイーツなどが特に人気を集めるようになりました。

お土産そのものが“情報”として拡散される時代になったの。
代表的なお土産としてよく挙げられるものには、沖縄の紅いもタルト、博多の通りもん、東京駅限定の東京ばな奈、北海道の白い恋人などがあります。
これらはいずれも「地域性」「知名度」「安定した品質」を兼ね備えており、誰に渡しても安心感のある存在です。

一方で、近年特に注目されているのが「自分用のお土産」という考え方!
以前は、お土産はあくまで他人に渡すものという意識が強くありましたが、現在では旅の思い出を形に残すために、自分自身のために購入する人も珍しくありません。
ご当地コーヒーやクラフト雑貨、限定デザインの商品などは、その代表例といえるでしょう。

お土産選びの基準も時代とともに変化していますよ。
価格や量だけでなく、デザイン性、保存性、持ち運びやすさ、職場で配りやすいかどうかなど、実用的な視点が重視されるようになりました。
特に日本では、職場や学校でお土産を配る文化が根強く残っており、この点は海外との大きな違いでもあります。

さらに最近では、「お土産」という言葉の意味自体が拡張されつつあります。
旅先で撮影した写真を「おみやげフォト」として共有したり、動画や音声データを「デジタルおみやげ」として残したりする人も増えています。
また、その土地で体験した出来事や感動を「体験おみやげ」として語る考え方も広がっています。

このように、形のある物から記憶や体験、情報へとお土産の概念は少しずつ変化しています。
しかしその根底にあるのは、昔も今も変わらない「誰かに伝えたい」「分かち合いたい」という気持ちです。
お伊勢参りの時代から続くこの精神は、SNS時代になっても、形を変えながら確かに受け継がれているといえるでしょう。
まとめ
「おみやげ」と「おみあげ」という読み方の違いは、単なる言葉の揺れではなく、日本語と日本文化の奥深さを映し出すものだといえます。
現代では「おみやげ」が標準的な読み方として広く使われていますが、「おみあげ」という言い方にも、語源や歴史、そして地域に根ざした確かな背景があります。
語源をたどると、「土産」はもともと土地の産物を意味する言葉であり、そこに「見上げ」や「宮笥」といった、人への思いや信仰に結びつく要素が重なってきました。
その結果、お土産は単なる物品ではなく、「感謝」「敬意」「無事の報告」といった気持ちを伝える存在として定着していったのです。
また、地域による読み方の違いからは、日本語が一様ではなく、土地や世代ごとに大切に受け継がれてきた言葉の層があることがわかります。
関西で聞かれる「おみあげ」も、九州の「おみげ」も、その地域で自然に育まれてきた立派な日本語の一部です。
こうして振り返ると、「お土産」とは単に旅先で買う品物ではなく、人と人をつなぐコミュニケーションの一つだといえるでしょう。
次に旅行へ出かけるときには、その土地ならではの品や呼び方、背景にある文化にも目を向けてみてください。
きっと、お土産選びがこれまで以上に楽しく、印象深いものになるはずです。